技術情報

ADU-AS

従来のダンサ機構の課題を解決し、更なる高精度化へ

Roll-to-Roll 搬送装置の従来のダンサ機構において張力制御精度に影響を及ぼす「自重による慣性」、「可動部の摩擦抵抗(摺動抵抗)」、「制御の応答性と精度」といった課題への対策を実現した、新たなダンサユニットを開発しました。
独自技術である高精度エアアクチュエータを採用し、次世代製品の生産に貢献する、更なる高精度搬送を実現します。

  • エアアクチュエータ
  • ダンサ
  • 張力変動抑制
  • センサ
  • 高精度化
  • 摩擦除去
  • 高応答

従来のダンサ機構と課題

Roll-to-Roll 搬送装置の張力制御における重要な機構の一つとして”ダンサ”が挙げられます。ダンサは電空変換器などを用いてエアシリンダに一定の推力を与えることで基材に一定の張力を与え、張力の安定化に大いに貢献します。しかし、振り子式ダンサの場合「自重による慣性」や、「回転軸やエアシリンダなどの可動部の摩擦抵抗(摺動抵抗)」、「エアシリンダの圧縮性」、「位置検出器の検出精度や分解能」、「電空変換期の制御精度や分解能」といったことが張力制御精度や基材そのものに影響を与えることがあります。
例えば薄物基材における低張力搬送や、印刷や塗工に高い精度が求められる生産を実現するためには、このような課題への対策も重要です。

高精度エアダンサユニット

高精度エアダンサユニット「ADU-ASシリーズ」では、従来のダンサ機構の課題を大きく4つに分類し、対策を行っております。

まず、振り子式ではなく水平方向直動式にすることで、機構の摺動部の削減と、ダンサローラの駆動における自重の影響を排除しております。次に、ダンサローラの両側の支持部にエアベアリングを採用することで、摩擦抵抗を排除しています。3つ目については、サーボ弁をアクチュエータ本体に搭載することで空気圧力の伝達遅れを低減しました。最後に、高精度な位置センサと圧力センサを搭載することで、高応答かつ高精度な制御を実現しました。

2種類のスペックを用意

高精度エアダンサユニット「ADU-ASシリーズ」は、幅が狭い「ADU-250-AS」と、幅の広い「ADU-1200-AS」の2種類用意しております。幅狭の「ADU-250-AS」の方は、高精度エアアクチュエータ1本でダンサローラの中央を引く形で、最大張力が50N、基材幅が200mmまで対応可能となっています。
幅広の「ADU-1200-AS」の方は、高精度エアアクチュエータを2本使用し、ダンサローラの両側を引く形となっており、最大張力が100N、基材幅が1,100mmまで対応可能となっています。お客様の生産品に合わせて、柔軟に対応いたします(※1)。

(※1)ADU-1200-ASの幅はカスタマイズ可能です。その場合は個別に設計が必要となります。