ソリューション

レーザアニール

パワー半導体の製造工程におけるウェハ表面のリアルタイム加工監視と安定した品質管理の実現

プロセスモニタはレーザアニールプロセスでウェハの照射面温度をリアルタイムで計測する機能です。プロセス監視のだけではなく、装置管理のコストダウン、不具合発生時のトレーシングに活用いただける機能です。

お客様の課題

  • リアルタイム加工監視(不具合の早期発見、不具合品流出の抑制)
  • トレーサビリティ(傷やごみ等発生時のトレーシング、原因調査)
  • 品質安定性(ワーク内、ワーク間でのばらつき、評価、それに伴う工程改善)

解決したこと、できること

プロセスモニタによるトレーシングと品質安定の実現
レーザアニールプロセス中のウェハ表面のモニタリングし、加工中の異常を容易に発見・特定することで、プロセスの監視強化とトレーシングが可能になりました。日々の装置管理に応用することで、装置管理コストと時間短縮にも貢献しています。

パワー半導体製造工程でプロセスモニタが必要とされる背景

2021年11月、国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)が開催されました。各国からカーボンニュートラルに関する宣言が表明されるなど、脱炭素社会に向けた取り組みが国際的に加速しています。

脱炭素社会のキーデバイスと呼ばれるパワー半導体の市場は拡大を続けており、デバイスの高性能化や生産能力の増強が進められると同時に、品質安定化やプロセス管理、半導体製造装置の管理に対する要求もより高いものとなってきています。特にパワー半導体をけん引する車載用途においては品質要求が厳しく、高く安定した品質を求められています。

プロセスモニタはこういった品質管理の強化を求めるお客様の声から開発された機能で、レーザアニールプロセスでウェハの照射面温度をリアルタイムで計測する機能です。プロセス監視のだけではなく、装置管理のコストダウン、不具合発生時のトレーシングに活用いただける機能です。

加熱されたウェハ表面の熱輻射光を計測するプロセスモニタの原理

物体を加熱すると光(電磁波)が放射される熱輻射と呼ばれる現象があります。
レーザにより加熱されたウェハも例外ではなく、高温になった照射スポットからはその温度に依存した光が放出されます。この光は熱輻射光と呼ばれ、プロセスモニタは照射スポットの熱輻射光を計測する機能となっています。
プロセスモニタにより非接触かつリアルタイムでウェハ表面の温度に関連した情報を得ることができ、計測結果としては1枚ごとのマッピング、平均値の記録が行われます。

実際に測定されたシート抵抗値とプロセスモニタの計測結果を重ね合わせると、それらが一致することが確認できます。プロセスモニタの測定結果の感度は高く、シート抵抗測定の代替評価として、面内のばらつきやワーク間のばらつきを評価することが可能です。

プロセスモニタによる装置管理に必要なコスト削減

安定した生産には日々の装置管理が重要となりますが、プロセスモニタは装置管理にも活用できます。装置管理用のベアウェハに照射した際の熱輻射光を計測し、設定した基準値と比較することで、装置に異常が生じていないかを容易に確認できるようになります。
また、この評価はベアウェハで実施することができ、溶融しない範囲であれば同一のウェハを繰り返し使用できるため、管理に必要なコストも削減できます。

不具合発生時のトレーシングとパワー半導体デバイス製造工程の改善

プロセスモニタは熱輻射光を測定するため、ウェハ表面の傷や異物がある場合は計測強度に顕著な差異が生じます。
異常のあったウェハとその位置が容易に特定できるため、製造されたデバイスに不具合があった場合のトレーシングを早期に行うことが可能となります。
マッピングされた異常個所の形状から要因の推定をすることも可能であるため、再発防止策の検討などの工程改善にも活用いただけます。

レーザアニール装置のプロセスモニタによる安定した品質管理

今後も成長が続くパワー半導体市場において、車載用途のみならず民生・産業用途の品質要求の高まりも予想されます。住友重機械工業のレーザアニール装置はこのプロセスモニタで、その要求にお応えしたいと考えています。

プロセスモニタに関するお問い合わせはこちら

住友重機械工業の強み

  • パワー半導体製造においても稼働実績が多いため、技術の成熟度は高く、信頼性高い
  • サンプル加工や温度シミュレーションなど、検討段階からのサポートが可能
  • 当社独自技術による局所加熱機能

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