ソリューション

レーザマシナリ

シール部材の製造工程を革新するレーザ溶接、コストダウンと性能向上の両立

シール部材は、半導体や液晶の 製造、真空機器をはじめ、石油化学・自動車・鉄道・医療機器などの分野で、気体や液体の部材として多用されています。その製造工程によって、機械的に成形して製造する従来工法、複数の薄肉金属板を溶接して製造する溶接工法に大別されます。
 
技術が小慣れていることや、品質の均一化が図れる(同じロットのシール部材は均一になる)、製造コストが安い、大量生産に向いている、などの歴史的な理由から従来工法が多くを占めてきましたが、より伸縮性や耐圧性を求めたり、細かい造作や機能性を求めたりする観点から溶接工法が人気を集めつつあります。住友重機械の技術は、溶接工法の普及にも一役買っています。

  • 装置カスタム
  • 低入熱溶接
  • 品質の均一化
  • 自動化
  • 熱ひずみの低減

お客様の課題

  • シール部材の溶接工法は気密性を担保するため、熱歪みを生じさせない職人の溶接技術を要する
  • 一つずつ職人による溶接が必要になるため、大量生産に不向き
  • 従来工法に比べ、製造コストが高い

解決したこと、できること

シール部材の製造工程にレーザシステムによる溶接を導入し、コストダウンと性能向上を両立
薄肉化が進む部材に対して、照射部を極小化できるレーザの特性を生かして熱歪みを軽減、さらに、レーザ照射による溶接工程はワーク(対象物)を適正に移動・回転することで、無人化・自動化された工程を実現し、機能性とコストダウンという一見相反した条件のクリアが可能にしました。

課題のあった溶接工法をより身近な存在に

優れた機能性を持つ溶接工法にも難点があります。溶接工法には、一般的に母材同士を溶かして行うアルゴン溶接と、溶接棒を溶かして接合する銀ロー溶接が使う方法があります。どちらも接合強度は富んでいますが、溶接をする際に一定の面積が加熱されるため熱歪みを生じる可能性が高く、気密性を担保する形で溶接するには一定の職人技が求められます。また、これら従来方式の溶接技術では一つずつ人が溶接を施す必要があるため、大量生産には不向きで製造コストも高いものになってしまいます。

住友重機械では、このような溶接工法の製造工程にレーザ溶接の導入を提案しています。照射部を極小化できるレーザの特性を生かして熱歪みを軽減、さらに、レーザ照射による溶接工程はワーク(対象物)を適正に移動・回転することで、無人化・自動化された工程を実現できるため、機能性とコストダウンという一見相反した条件のクリアを可能にしました。さらに、このワークを移動・回転させる工程に、ワークの位置をモニタするカメラを用いた追従制御を独自に追加しており、歩留まりの圧倒的な向上が期待できます。

レーザ溶接工法で、利用シーンの拡大にさらなる期待

シール部材の用途はさまざまですが、鉄道車両のドア開閉やブレーキといった空圧操作部分、自動車の排気用パイプ、医療機器では麻酔器の送気機構など、人命に直結する機能にも多く使われています。これらの分野に、レーザ溶接で製造されたシール部材の採用が進んでいることは、高い信頼性の証と見ることができます。住友重機械が提案する一連のレーザ溶接ソリューションにより、シール部材の信頼性がさらに向上し、これまで使われてこなかった応用分野への拡大も期待されます。

例えば、レーザ溶接工法の特徴の一つである長寿命という機能が寄与する形で、高い気密性が求められる航空宇宙分野への採用が期待されます。国際宇宙ステーションに代わる宇宙実験環境の開発、民間による宇宙事業開発の高まりなどから、この分野では新しい素材や工程で作られた部材の採用にも意欲的です。また、自動車・鉄道をはじめとするモビリティ分野でも、脱炭素社会やエネルギーシフトの観点から、さらに環境負荷の小さい乗り物づくりが求められています。

住友重機械が提供するレーザ溶接のソリューションは、世の中を革新させる分野、今ある技術を進化させたい分野で、きっとお役に立てるのではないでしょうか。


レーザ溶接で製造されたシール部材の特徴を活かす応用分野

  • 高い気密性が求められる航空宇宙分野
  • 環境負荷の小さい乗り物づくりが求められるモビリティ分野
  • 人命に直結する麻酔器等の信頼性が求められる医療分野

導入までの流れ

レーザー溶接によるシール部材製造のソリューション事例 に関するPDFをダウンロードする

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セミナー情報

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